今回のテーマは、擁壁のある土地を購入する場合の注意点
どうも。
注文住宅研究員の宅です。
今回は、注文住宅で擁壁のある土地を購入する場合の注意点について、
説明していきたいと思います。
実は私も、長い土地探しの中で擁壁のある土地を購入するか迷ったことがありました。
実際に買付証明書も提出し、購入する一歩手前までいったのですが、あることがきっかけでそちらの土地は購入しないこととなりました。
そこで得た知識などを紹介していきたいと思います。
擁壁とは
擁壁とは、簡単にいうと土留め(どどめ)のことです。
高低差のある土地で、その側面の土が崩れないようにという目的で作られるものです。
土の荷重、雨水の水圧、さらに土地の上に建造物の荷重などで崩れないようにするために、擁壁は強固に作られなければいけません。この擁壁が不十分だと、不同沈下や建物の倒壊の危険性が生じてしまいます。
ここでは擁壁の知識を身に着け、これから住む土地が少しでも安心できるようにしていければと思います。
まずは擁壁の種類を知り、擁壁と言われるものでも、実は宅地としての擁壁に適さないものも存在します。
宅地に適さない擁壁とは
この項目は絶対に抑えておいた方が良いポイントです。今現在の街中でも普通に存在する擁壁ですが、実は非常に危険なものとなっています。
これから土地を購入される人は、選ばないようにした方がいいと思います。
空石積み擁壁
イメージとしては、単純に石を積み上げただけの擁壁となります。
この擁壁は昔から使われてきた擁壁ですが、今は安全面からは適さない擁壁となっています。
増積み擁壁
これは既存の擁壁の上に、ブロックなどを継ぎ足して(増して)作られた擁壁のことをいいます。
これは継ぎ足している部分と下段のつなぎの強度が弱く、崩れやすいものとなっています。
2段擁壁
1段目の擁壁のすぐ上に、違う擁壁が作られてできている擁壁のことを言います。
この2段擁壁は、違う時期にそれぞれ作られた擁壁になります。
そのため、1段目の擁壁が2段目の擁壁によって守られている土圧がかかることを想定せずに作られているため、崩壊の危険性もあり危険となります。また、上と下の擁壁が一体化していないことも危険な要素となっています。
張出し床板付擁壁
これは、擁壁の上部分に土地が有効活用できるように取り付けられた床版のある擁壁のことを言います。
わかりやすいイメージとしては、耳をすませばの地球屋の感じですかね。
簡単にいうと、張出している部分があるため単純に危ないです。
宅地に適する擁壁とは
適さない擁壁とは逆に、この擁壁の物を選んでいきましょうという内容です。
ただし、下記の擁壁だからと言って必ずしも安全とは言えないため、その擁壁のチェックについては、また別途記事にしていきますので、参照してください。
練り積み造擁壁(ブロック積・石積み)
ブロックや石、コンクリートなどを固定して作られている擁壁です。
よく見る擁壁の一種だと思います。
重力式コンクリート擁壁
コンクリート擁壁の重さで、その後ろ側にある土圧を支えている擁壁です。
鉄筋などを使わずに作られているため、分厚い擁壁となっています。
鉄筋コンクリートL型擁壁
この擁壁は、上の擁壁と違い、コンクリートの中に鉄筋を入れて作られている擁壁となります。
地面から垂直に作ることができる擁壁のため、薄く作ることが擁壁となっているため、土地の有効面積が確保できます。
擁壁には検査済証が存在する
2メートルを超える擁壁を作る場合は、建築基準法において、必ず市からに対して確認申請を行い、許可をいただく必要があります。
これは大きい擁壁のため、どのように作るのかをしっかり許可をもらい、完成した後に検査をしてもらいましょうという制度です。
これにより発行されるものが、検査済証と言われるものとなります。
不動産の所有者が持っていない場合は、市の建築課にいくことで確認もできるようになっています。
市の許可を得ずに、大きい擁壁が作られていることも多々あります。そうなると、どうやって何の素材で作ったのか、安全性の確認ができません。
すでに擁壁のある土地の購入を検討されている場合は、必ず検査済証があるかどうか不動産会社もしくはハウスメーカーに確認しましょう。購入時に渡しますといわれることもあると思いますが、購入検討段階で見せてもらった方がいいので、しっかり確認した方がいいです。
もし、なかなか出してこない場合は、もしかしたら検査済証がない可能性もありますのでその場合は、市役所などに訪問し、調べてみてください。
実は、私がハウスメーカーに紹介された土地が、このような2メートルの擁壁を超えるものが裏手にある土地でした。そこは6メートルほどの擁壁があったのですが、検査済証がなかったのです。(ハウスメーカーの人はあるといっていましたが)。そのため、購入寸前まで話を進めていたその土地の購入を諦めました。一生住む土地なので、安心して住みたかったからです。
その事例については別で紹介するので、楽しみにお待ちください。
2メートルを超えない擁壁の場合は、そもそも確認申請や許可が必要ないため、上記のような検査済証がありません。その場合、安全性の確認がしづらいため、もし現在開発中の土地であれば、開発工事を請け負っている会社が擁壁の資料を持っているため確認した方がいいです。
古い擁壁で2メートル以下の場合は確認ができないため、別で紹介する最低限の擁壁チェックを行い、安全性を確認しておきましょう。
1メートル以下の擁壁の場合は、ほぼ安全なものが多いので、安心して大丈夫と言われています。
最後に
擁壁は、知っておいた方が良い知識だと思います。
OKな擁壁を知るよりも、ダメな擁壁を知っておいた方が、購入時に迷わなくて済むと思います。
希望の条件に合致する土地であったとしても、NGな擁壁の場合は購入を控えた方が私はいいと思います。
なぜなら、擁壁は建物とセットのため、擁壁が崩れたらそこには住むことができないからです。これから一生住む場所で、そのような不安は抱えないほうが日々を快適に過ごせるんじゃないかなと思います。
もちろん考え方次第ですが、大雨や地震の度に心配してたら、安心して暮らせないかなと思いますので。
参考なれば幸いです。
次回は擁壁のチェックの仕方を紹介していきます。
ハウスメーカーから紹介された擁壁のある土地についても別で紹介していきますね。
それではまた。
宅(たく)
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